プラス・スペシャル No.13
「もくれん in おきなわ!」
4.めんそ〜れ?(初日)
旅立ちの朝

犬を乗せる場合は、通常よりも早めにチェックインしてください。という指示で4時起き。お約束で前夜はぎりぎりまで準備にバタバタ。寝ぼけ顔のもくれんを車に突っ込んで出発、まずは羽田空港そばの駐車場へ。湾岸線は事故も渋滞もなく、快適で気持ちの良いベイブリッジ朝の風景。
駐車場から空港まで、送迎の車を待つ間にもくれんは大小のトイレを済ませて準備万端。朝ゴハンありの家では飛行機酔いを心配して食べさせない方が良いと思いますが、もともとゴハンは夜一回だけのもくれん。空腹による不満も無し。

揺れ揺れ飛行機
50人に一人無料キャンペーンはハズレ。もくれんの運賃が稼げなかったのは残念。そのままカウンターで預ける手続き、ワケもわからず素直にゲージに入ったら、「じゃあな」と一言。さっさとその場を去る飼い主。もくれん鳴いて騒いで大抗議。ビッグバードは天井も高いし、ホントによく声が響き渡ることで。
飛行機は強い向かい風とかで揺れ、あんまり快適じゃない乗り心地。これで機内に鳴き声でも聞こえてきたら...と心配したけど。聞こえないのは観念したのか防音がしっかりしているのか?どっちだろう。
着陸寸前、タイヤが地面につくときの衝撃を待ちかまえるくらいの状態からいきなり再加速して上昇開始。やりなおし。怖い目に遭ってるなあ、もくれん。

到着直後はわけもわからずシーサー

これから何が起こるか考えもせずシーサー
バス騒動
空港でとりあえず写真を撮って、さて。座間味島への高速船は、午後3時の出航。現在時刻は午前10時半。泊(とまり)港でぼんやり待つか〜。
時間はあるので、泊(とまり)港までの推定6km、アシをのんびり検討。歩くのは...却下。タクシーならば交渉すれば乗れるだろうし、ココはひとつさらなるチャレンジを。そう思って空港の観光案内カウンターでおねえさんに質問。「バスって乗れます?」。即座にバス協会に問い合わせてくれて、「OKです」。

不安的中?
ところが運転手「バスは犬を乗せるモノじゃねえ」。な〜ん〜だ〜と〜!これに激怒するおねえさんに泣きつき、「バス協会はOKって言ってるぞ」と運転手は恫喝(?)、周囲のお客さんには腰低く、複数の顔をいやらしく使い分けて無事乗車。
ここで注意事項、「泊(とまり)港」という名前のバス停はありません。一度国際通りに迂回するルートのこのバス、土地勘の無い人間には自分が今どこにいるのかよくわからず。乗る前に散々「泊(とまり)港に行く」と騒いでいたのに、最寄りのバス停で運転手からひとことも無し。
基地が見えるほど遠くまで来てやっと気づき、降りぎわ「泊(とまり)港って言ってたじゃん!」噛みついたら「あらぁ、通ったの気づかなかった?」。こんな絵に描いたような観光客がそんなこと知るかっ。「こんなトコロからどうやって戻れって?」聞いたら反対側の車線を指さして「あそこに反対行くバスが来るから」。2度と乗らんわっ!
もくれん一声も出さずガマンして、イイコにしてたのにな。
おかげでタクシーにも乗れたよ
途方に暮れて58号線道っぱた。反対車線に移って、さてどうしよう?バスはもう、こりごりだし。タクシー止めて、交渉か〜。ゲージ出られてニコニコのもくれんから顔を上げると、目の前に停車しているタクシーが。すぐ横が信号だったのね。運転手と目があった瞬間、思惑が一致した感触あり。満面の笑みで近寄って「犬乗せていいスか?」。
不愛想だけど、イイよ、のひとこと。よっしゃ!「えーと、ゲージだと車内に入らないけど...」この際トランクでもガマンしろもくれん。そのくらいの気持ちで切り出した薄情飼い主、あっさり「膝の上でいいよ」。温情ドライバー様だ。
エアコンの効いた車内、飼い主の膝でくつろいで景色を眺めつつ、快適なもくれん。港までは990円だから、そこそこの距離。ひどい目に遭ったなあ。わずか10円に「釣りはイイです」と精一杯の感謝を込めて、降りた目の前に高速船。ほっと一息。あとはこれに乗るだけだぁ。と、作業していた船員さん、「乗るの?時化で今日は出ないよ」。はぁ?!
それって一大事・・・だよね?
船が出ないって・・・今夜の宿が無いってコト?だよな。飛行機も飛ばないらしく、今日中に島へ行けないことは確実。なんてこった。仕方なくベンチに座り込んで20分ほど白く燃え尽きてみたりしたあとで、情報の整理と収集。まずは明日の船を予約し直し。
総合宿泊案内に電話して確認、那覇市内で犬OKの宿は無し。それは知っていた事だけど。ペットホテルに預けたら、と言われたけれど、却下。こうなれば直接交渉あるのみ。港の近所は、海に出られない船員の急な宿泊で一杯。フロントのチェックが甘ければ、もくれんは隠して...なんてコトまで考えたのに、犬がどうこう以前に部屋がない。
本に載っている宿から適当に選んで電話して電話して電話して...「ホテルよしだ」で女神の投げキッス。「ちょうどキャンセルが出たので」。一瞬迷った後「・・・犬がいるんですけど」。「ワンちゃんですか?ちょっとお待ち下さい」あれ?好感触。結局、オーナーさんが犬に理解のある方で、快くOK見事チェックイン。いやあ〜。ホントに良かった。
どっちだ?
宿が決まれば一安心、港に隣接した公園でもくれんとひと遊び。部屋が6階なので何度もトイレで出入りするのも面倒、出すモノは徹底的に出せ。目一杯遊べ。
きれいな公園なのに人の気配も犬の散歩もほとんど無く。ほぼ貸し切り状態。地面に無数に落ちている、桃の種みたいな種子を、投げて拾って投げて拾って。エンドレス回収ゲーム。あやうくこの公園で、一晩中この遊びをしていなければならないトコロだったな、もくれん。
明日、船が無事に出航することを祈りつつ、オリオンビール片手に幸せ&安らかな気分。結局、今日一日ってのはツイてたのか?ツイてなかったのか?沖縄に歓迎されたのか?招かれざる客だったのか?
(2002/03/25)

もう日が暮れても怖くないッス
※写真の少なさが余裕の無さを示しております


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